映画

シュルレアリスムは、今日? その3-2

■夢は第二の人生――ヤン・シュヴァンクマイエルによる精神分析コメディについて(後篇)Bruno Solařík和訳:かわかみはるか / Haruka Kawakami 前篇はこちら。 探偵ものの観客に先に犯人を教えてしまうのは、あまり褒められたことではない。この映画でシュヴ…

シュルレアリスムは、今日? その3-1

■夢は第二の人生――ヤン・シュヴァンクマイエルによる精神分析コメディについて(前篇)Bruno Solařík 和訳:かわかみはるか / Haruka Kawakami {以下は、Phosphorの第3号「取り戻される記憶/Memory Reclaimed」(2011年)に掲載された、ヤン・シュヴァンクマイ…

父親たちの星条旗

Frags of Our Fathers 2006年 米国 カラー/132分 監督:クリント・イーストウッド 出演:ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ IMDb:http://www.imdb.com/title/tt0418689/ 起こり経験される出来事と、様々な思惑や政治のただな…

ゴモラ

2008年 イタリア カラー/137分 監督:マッテオ・ガッローネ 出演:トニ・セルヴィッロ、ジャンフェリーチェ・インパラート他 公式サイト: http://www.eiganokuni.com/gomorra/ IMDb: http://www.imdb.com/title/tt0929425/ @第七藝術劇場。 犯罪組織ととと…

『キャタピラー』見てきた。

十三・第七藝術劇場にて。かなり期待して行ったんだけれど、残念ながら良い映画だとは思えなかった。すごく勿体無い感じ。 というわけで、以下、若輩者が身の程も省みず批判しまっせ。 ■あらすじ。 太平洋戦争のさなか、ひとりの兵士が変わり果てた姿で故郷…

■『Dr.パルナサスの鏡』みてきた(ネタバレ自重してません)

世界観もストーリーも美術も、すべてがわたし好みすぎて、一日たった今でもほとんど脳内が支配されているのですが。えー、観てきました、ギリアム最新作。このところモンティ・パイソンを集中的に観ていたので、パンフレットに載った監督の顔を観てつい「年…

『戦場でワルツを』

監督/アリ・フォルマン 2008年/イスラエル/90分2週間ばかり前に見に行って、非常におもしろかったので。アニメーションによるドキュメンタリー、という、たぶんすごく珍しい形態の映画。 作品の結末というかコアの仕掛けに触れているので、そういうの気にす…

『水俣――患者さんとその世界』

監督/土本典昭 1971年/日本/167分 大学の授業で視聴。本当のところ、水俣病のことは、高校で習った以上のことは知らないんだけれど…。 あんまり圧倒的な作品だったので、特に印象的だったところを書きとめておく。■ことばのわからなさ これは以前、想田和弘…

「千年女優」のこと。映画と現実の関係、現実と非現実の関係。

■ずいぶん前にハイクでぼそぼそ書いてた印象がある程度まとまったので、練習がてら書いてみた。 ■通常、私達は映画を見る際、映画の中の出来事を仮の現実として受容する。つまり、映画を見ているひとときのあいだ、私達は、普段自分が所属している現実を一部…

花とアリス

[rakuten:book:11602641:detail] 蒼井優かあわいいなあー。いいなー、さらさらの黒髪。いいなー。■片想いの相手である宮本が、シャッターに頭をぶつけて気絶したところに出くわした花。意識を取り戻した彼に、とっさに「先輩は私のことを好きで、私と付き合…

■父、帰る(すごいネタバレ)

ロシア語の授業で。 12年ぶりにひょっこり帰ってきた親父が、何の説明もなしに兄弟を無人島に連れて行く。無人島の廃屋で、父が掘り出していた小箱の中身が気になってしょうがない。きっと、父と息子たちが打ち解けることができた時に、息子たちに向けて開封…